わたし個人としては3年ぶりのステージ。
1500人の大ホールが復帰戦となり、
爪の先まで不安の塊だった自分自身に
“何が起きても3年ぶりだから”
と喝を入れて迎えた本番当日。

コロナ禍でのステージを知らなかったわたしは
客席の空気感が全く読めず本当に難しかった!
ステージにも客席にもたくさんの人なのに、
孤独感に押しつぶされそうになるだなんて。
あ〜ラジオの生放送だと思えばよかったなと
今更ながら思うけれど、笑、
その時は必死すぎててんやわんやでした。
講師、音楽監督として15年目のこのバンドのコンサート。
3バンド合わせて50名ほどの出演者の進行が
いちばん大事で、いちばん大変なお仕事だけれど、
今年はコロナ禍ということもあり、
例年はゲストを招いての1時間を変更して
講師6名+卒業生での特別演奏もお届けしました。

面白いことに唯一ほっとしていたのが、
この講師演奏の時間。
じぶんの楽器を持って演奏している間は、
頭スッキリ心は落ち着き真っ白で
無の境地とはこういう感じか!と。笑。
何もかも忘れて音と向き合う時間は、
とても久しぶりで新鮮で幸せでした。

本当は人前がとても苦手で、
MCなんて神のなせる技と思うほど話下手、
チームプレイよりは個人競技派といいますか
先頭に立ち引っ張るタイプではないわたしが
こんなに長く務めさせてもらえるのは
スタッフの皆さんのおかげであり、
参加の生徒のみんなのおかげであり、
毎年コンサートに足を運んでくださる
たくさんの応援のお客様のおかげです。
本当に本当にありがとう。
ふたりの男の子の親になり、
自分の非力を嘆きながらも踏ん張る毎日。
感染症対策で世の中が閉じているところに
世界中が地球規模で緊張状態となり、
日本は3.11から11年ということもあって、
いまは言葉も音もなかなか紡げないでいますが、
たくさんの命を思わない日はないです。
粥川なつ紀