気品溢れる明治の迎賓館を訪れたのは
雪の残るキンと冷たい雨の日でした。
樹齢350年の盆梅の華やかな香りに包まれ
荘厳さに背筋が伸びると同時に
固く絡まった糸が柔らかく解けるような安らぎ。
遠くに近くに眺めては、
350年続く春の命を大きく吸い込んで
ちっぽけな自分の埃を掃き出す、
そんな時間でした。
明治天皇が琵琶湖の舟から鉄道に乗り換える間の
その時間を過ごすために作られた「慶雲館」。
当時の豪商が私財を投じて建てたこの迎賓館は
時の総理大臣 伊藤博文の命名。
後にする時には清々しい気持ち。
次に向かうは冬の長浜といえばこれ、
天然真鴨の鴨鍋。
鮒の子まぶし。
おかみのおもてなしの1つにあった
天然真鴨まめ知識も面白く。
鴨が大好きで訪れたのだけれど、
とにかく驚いた初めての鴨肉の味でした。
伊吹の豆腐は豆の濃い味。
肉厚椎茸にとろけるお葱。
京の生湯葉はさっとくぐらせて。
肝、ハツ、砂肝。
〆を雑炊で頂いて身もこころもあったかい。
しとしと雨のなか少し歩いて大通寺へ。
絢爛豪華な桃山文化にうっとり。
意外というと失礼かもしれないけれど、
建造物は重文だらけなうえに、
客室として利用されていたという含山軒・蘭亭には
狩野派山楽・山雪、円山応挙と名だたる絵師の
壁絵にふすま絵だらけでため息止まず。
応挙の間で風が見えたのには
思わず目をこすってしまったくらい。
この感じは忘れないと思う。
寒い小路を興奮気味に行くと
マンホールには千成り瓢箪。
そうよね、豊臣秀吉の長浜だものね。
地元と言えばこの人石田三成。
商店街にはなぜかケンシロー。
地元!?笑。
足下には”自転車をおかないで”との文字。
ケンシローも自転車置かれちゃうのね。
有名佃煮屋さんで琵琶湖の幸を。
もう1つの目的地ボンボンショコラは
ショコラとマカロンのショコラティエ。
持ち帰ればいいかといくつも選んだけれど
結局全部その場で食べちゃった。笑。
どれも品よく後味もとてもよくて、
ローズマカロンとプラリネには悶絶。笑。
ケーキがまた美味しくて。
これにはびっくりだったなあ。
車で1時間半で着くからね、近い近い♪
アウトプットが続くと、
新しくインプットしたいと働くみたい。
“知り、馳せる”ことの大切さを感じた
ふらり芸術文化漬けの一日でした。
nacci