タカラモノ。

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お世話になったあの人が好きだったという満月ポン。

その後の便りとともに届いたときの、

さみしさと優しさとあたたかさといったら。

送り主の芯の強さにこちらが泣けてきてしまうくらい、

愛情いっぱいの満月ポンは優しい味だった。

 

今年に入りたくさんの別れが続いており、

それも突然にやって来ては連れていくものだから、

未だ現実として受け入れられずにいたりもする。

 

泣いたり落ち込んだり憤り顔だったりのわたしに

“それも人生”という母のポツリひとことは

反論の余地のない的確なものだった。

 

ひとりひとりとの思い出を掘り起こしていると、

あんなに落ち込んでいたはずなのに少しだけ明るくなる。

明るくなった分また落ちたりもするけれど、

ふっと浮上出来るスピードも早くなったりする。

 

悲しいときに存分に悲しまないと、

どう悲しんでいいのか分からなくなると

そんなようなことを幼馴染が言っていた。

だから今ちゃんと悲しんでねって。

想い出のタカラモノを掘り起こす時間は、

前向きに悲しむ後ろ向きの時間だね。

 

じぶんに言い聞かせるのは、

後悔だけはもうしない、ということ。

じぶんが無駄な時間と思う事をする暇などない。

無駄な愛想笑いもやめるとすっきりする。

無駄を削いでいくと必然的に必要なものだけになるわけで、

不要なものが多いほど後悔も増えると思う。

会いたい人にいま会いに行けるか、と。

 

新聞で特集をしてもらったときのインタビュアに

“シンプルに生きてる”と言われたことがあった。

それまでそんな風に意識した事はなかったけれど、

アンテナが振れるか触れないかが基準だから、

シンプルと言えばシンプルだと思う。

やらなきゃいけない事は大して無いと思う派。

それはやりたいことか、そこがスタート。

 

でも、一旦アンテナが真ん中をさしてしまうと

前にも後ろにも進まないという悪い癖も。

タカラモノを掘り起こしてる今日この頃は

少しだけそんな感じもあったりなかったり。

 

ひたすらに泣いて笑って食べて寝てと

全力で生きてるキラキラした命を目の前に

引っ張ってもらって前進しています。

 

満月ポンは優しい。

 

nacci